電子帳簿保存法のファイル名のルール — 付け方の例とよくある間違い

2026-09-14 更新。国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和 8 年 7 月)をもとにしています。文中の「問」はこの一問一答の番号です。

要点

電子取引データの保存に必要なこと

電子取引データを保存するときは、次のことが求められます(問 18)。ファイル名のルールが関わるのは 3 つ目です。

  1. 改ざんを防ぐ措置をとる。タイムスタンプ、訂正・削除の履歴が残る(または訂正・削除ができない)システム、訂正・削除の防止に関する事務処理規程のいずれか。事務処理規程のひな形は国税庁が公開しています(参考資料(各種規程等のサンプル))。
  2. ディスプレイやプリンタなどを備え付け、画面や紙にすぐ出せるようにする。
  3. 「取引年月日その他の日付」「取引金額」「取引先」で検索できるようにする。
  4. 自社で開発したプログラムを使う場合は、そのシステムの概要を書いた書類を備え付ける。

検索の要件の中身

国税庁は、検索機能として次の 3 点を挙げています(問 48)。

  1. 取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索の条件にできる
  2. 日付と金額は、範囲を指定して検索できる
  3. 2 つ以上の項目を組み合わせて検索できる

税務職員のダウンロードの求め(データの提示・提出の要求)に応じられるようにしておけば、2 と 3 は不要です。そのうえで次のどちらかに当てはまる場合は、1〜3 のすべてが不要になります(問 48、問 51、問 52)。

検索の要件が不要な場合でも、ファイル名をそろえておくと、自分で書類を探すときや税理士に渡すときの手間が減ります。

ファイル名の付け方の例

国税庁の資料には、次のような付け方が載っています。どれも日付・取引先・金額の 3 つを入れ、順序をそろえています。

付け方 出典
日付_取引先_金額 20210131_(株)霞商店_110000 問 19、問 50
日付_金額_取引先 20240331_110000_(株)霞商店.pdf リーフレット「電子取引データの保存方法をご確認ください」(令和 5 年 7 月)
取引先ごとのフォルダに分け、ファイル名は日付_金額 (株)霞商店/20240331_110000.pdf 問 50(取引先ごとにフォルダを分ける方法)

書類の種類(請求書・領収書など)や請求書番号を足すと、ひと目で中身が分かります。その場合も、3 つの項目の位置はすべてのファイルで同じにしておきます。

先に決めておくこと

項目 国税庁の説明と決め方
西暦か和暦か どちらでもよいが、混在すると抽出の妨げになるので統一する(問 50)。
どの日付を使うか 基本は取引が行われた日。1 か月分の取引がまとめて記録された書類は、発行日または受領日と合計金額を使ってもよいが、課税期間の中で一貫させる(問 55)。
税込か税抜か 帳簿の経理方法(税抜経理・税込経理)に合わせるのが基本だが、書類に書かれた金額でもよい(問 57)。
金額が書かれていない書類 単価契約の契約書などは、金額を 0 円か空欄にしてよい。空欄にするなら、空欄のものを検索できるようにしておく(問 58)。
見積金額が複数ある見積書 どの金額を使うかを社内で決め、課税期間の途中で変えない(問 56)。
取引先の書き方 「株式会社」をそのまま書くか「(株)」にするか。国税庁の例は「(株)」です。書き方がばらばらだと検索で漏れるので、1 つに決める。

よくある間違い

  1. 日付の書き方がファイルごとに違う。 2024-1-520240105R6.1.5 が混ざっていると、名前順に並べても日付順になりません。桁数をそろえた YYYYMMDD にすると、名前順がそのまま日付順になります。
  2. 項目の順序が途中で変わる。 国税庁は「統一した順序で入力」することを示しています(問 50)。担当者が複数いるときは、ルールを書き出して共有します。
  3. 金額にカンマや「円」を付けたり付けなかったりする。 110,000110000 は別の文字列なので、片方で検索するともう片方が見つかりません。国税庁の例は数字だけです。
  4. 取引先の表記がそろっていない。 「株式会社霞商店」「(株)霞商店」「カスミ商店」が混ざると、1 回の検索で全部を拾えません。
  5. 複数の請求書が入った 1 つの PDF に、そのまま名前を付ける。 取引ごとに PDF を分けて、それぞれに名前を付ける方法が示されています。分けるときは中身を変えずに分割します(問 54)。
  6. ファイル名だけ付けて、改ざんを防ぐ措置をとっていない。 事務処理規程を定めて、その規程どおりに運用する方法などが必要です(問 19)。
  7. 保存場所がばらばら。 保存先を複数に分けること自体は認められていますが、理由なく散らばっていて速やかに出せない状態は認められません(問 32)。
  8. 送った請求書を保存していない。 受け取ったデータだけでなく、送ったデータも保存の対象です(リーフレット「電子取引データの保存方法をご確認ください」)。
  9. ファイル名に使えない文字を入れる。 Windows では \ / : * ? " < > | をファイル名に使えません。取引先名にこれらの文字が含まれるときは、別の文字に置き換えます。

保存期間

電子取引データの保存期間は、紙の書類と同じく、所得税法や法人税法などで決まっています(問 17)。

いつから数えるかは、問 17 の表で確認してください。

電帳リネームでファイル名をそろえる

電帳リネームは、PDF をドロップすると中の文字から日付・金額・取引先を読み取り、決めたルールでファイル名を一括で付けて ZIP で返すツールです。並び順、日付の形式、「株式会社」を「(株)」にするかどうかは画面で選べます。ファイルはブラウザの中だけで処理し、サーバーには送りません。

出典