電子帳簿保存法の検索要件とは — 3 項目・範囲・組み合わせの中身と満たし方

電子帳簿保存法の検索要件とは、保存した電子取引データを「取引年月日・取引金額・取引先」の 3 項目で検索でき、日付と金額は範囲を指定でき、2 項目以上を組み合わせて検索できるようにすることです(国税庁「電子帳簿保存法一問一答」問 48)。

2026-09-17 更新。国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和 8 年 7 月)をもとにしています。文中の「問」はこの一問一答の番号です。

要点

検索の要件の 3 つの中身

国税庁が示している検索機能の要件は次の 3 つです(問 48)。

  1. 3 項目で検索できる。 「取引年月日その他の日付」「取引金額」「取引先」を検索の条件にできること。日付は取引の日が基本ですが、1 か月分をまとめた書類なら発行日や受領日でもよいとされています(問 55)。金額は帳簿の経理方法(税抜・税込)に合わせるのが基本で、書類に書かれた金額でも構いません(問 57)。
  2. 日付と金額は範囲で検索できる。 「2024 年 1 月 1 日から 3 月 31 日まで」「10 万円以上 50 万円以下」のように、上限と下限を指定して絞り込めること。
  3. 2 つ以上の項目を組み合わせて検索できる。 「取引先が (株)霞商店で、2024 年 1 月の取引」のように、任意の 2 項目以上で絞り込めること。1 つの項目で検索した結果を、さらに別の項目で絞り込む方法でも要件を満たします(問 49)。

検索の要件が不要になる場合

すべての事業者に 3 つ全部が求められるわけではありません。段階が 2 つあります。

ダウンロードの求めに応じられる場合: 範囲と組み合わせが不要

税務調査のときに、税務職員から電子取引データのダウンロード(提示・提出)を求められたら応じられるようにしておけば、範囲を指定した検索と組み合わせの検索は不要になります(問 48)。残るのは「3 項目で検索できる」だけです。ファイル名に 3 項目を入れる方法は、この段階を前提にしています(問 50)。

次のどちらかに当てはまる場合: 3 つとも不要

不要になるのは検索の要件だけです。データそのものの保存と、改ざんを防ぐ措置は引き続き必要です。また、検索の要件が不要でも、ファイル名をそろえておくと自分で探すときや税理士に渡すときの手間が減ります。

満たし方の比較

専用のソフトを使わない方法として、国税庁はファイル名を使う方法と索引簿を使う方法の 2 つを示しています(問 50)。会計ソフトや文書管理ソフトの機能で満たす方法もあります。

方法 何をするか 向いている場合 注意
ファイル名 ファイル名に日付・取引先・金額を統一した順序で入れる(例: 20240131_(株)霞商店_110000.pdf)。OS の検索や並べ替えで探す。 件数が月に数十件まで。ソフトを増やしたくない。 範囲と組み合わせの検索は、ダウンロードの求めに応じることで代える(問 50)。日付を YYYYMMDD にすると、名前順の並びが日付順になり、期間で拾いやすい。
索引簿 表計算ソフトの一覧表に 1 件 1 行で日付・金額・取引先を入力し、ファイル名は通し番号にする。フィルターで範囲と組み合わせの検索ができる。 件数が多い。金額や日付で絞り込むことが多い。売上高が 5,000 万円を超えていてダウンロードの求めに頼りたくない。 入力の手間がかかる。日付と金額を文字として入れると範囲の検索ができない。表の行とファイルの対応がずれないようにする。
会計ソフト・文書管理ソフト データを取り込むと、ソフトの検索機能で 3 項目・範囲・組み合わせの検索ができる。 すでにそのソフトで帳簿を付けている。件数が多く、担当者が複数いる。 費用がかかる。取り込み忘れがあると、そのデータは要件を満たさない。乗り換えるときにデータの移し方を確認する。

ファイル名と索引簿の両方を作っておく方法もあります。ファイル名で日常の検索をし、索引簿で範囲と組み合わせの検索に備える形です。電帳リネームの有料プランでは、この 2 つを同時に作ります。

どれを選ぶか

  1. 基準期間の売上高が 5,000 万円以下で、税務職員のダウンロードの求めに応じられるなら、検索の要件は不要です。それでも探しやすいように、ファイル名に日付・取引先・金額を入れておくことをすすめます。
  2. 売上高が 5,000 万円を超えていて、件数が月に数十件までなら、ファイル名の方法で足ります。ダウンロードの求めに応じられるよう、データを 1 か所にまとめておきます。
  3. 件数が多い、または金額や日付で絞り込む機会が多いなら、索引簿を作るか、会計ソフトの機能を使います。

よくある質問

フォルダで分けるだけではだめですか

取引先ごとにフォルダを分け、ファイル名を「日付_金額」にする方法は国税庁の例にあります(問 50)。フォルダ名とファイル名を合わせて 3 項目がそろっていればよく、フォルダを分けること自体は問題ありません。フォルダ名とファイル名を合わせても日付や金額が分からない状態は、3 項目で検索できるとは言えません。

検索には特別なソフトが要りますか

要りません。ファイル名に 3 項目を入れておけば、Windows のエクスプローラーや macOS の Finder の検索と並べ替えで探せます。索引簿なら、Excel や Google スプレッドシートのフィルターで足ります。

「取引年月日その他の日付」とは何ですか

取引が行われた日が基本です。1 か月分の取引がまとめて記録された書類のように、書類の発行日や受領日を使ってもよいとされています。どの日付を使うかは課税期間の中で一貫させます。発行日・受領日を使うときは、金額も書類の合計額で検索できるようにします(問 55)。

金額は税込ですか、税抜ですか

帳簿の経理方法(税抜経理・税込経理)に合わせるのが基本ですが、書類に書かれた金額でもよいとされています(問 57)。どちらかに決めて、全部のファイルでそろえます。

検索の要件のほかに何が必要ですか

改ざんを防ぐ措置(タイムスタンプ、訂正・削除の履歴が残るシステム、事務処理規程のいずれか)、画面や紙にすぐ出せること、自社開発のシステムを使う場合はその概要書です(問 18)。詳しくは ファイル名のルール の「電子取引データの保存に必要なこと」を参照してください。

電帳リネームで検索の要件に備える

電帳リネームは、請求書・領収書の PDF や写真・スキャンの画像をドロップすると中の文字から日付・金額・取引先を読み取り、統一した順序のファイル名を一括で付けて ZIP で返します(文字が埋め込まれた PDF は無料で表に 5 ファイルまで。写真・スキャンの読み取りは有料)。有料プランでは、同じ内容の索引簿 CSV も同時に作れるので、ファイル名の方法と索引簿の方法の両方に備えられます。ファイルはブラウザの中だけで処理し、サーバーには送りません。

出典