Windows で請求書・領収書の PDF のファイル名をまとめて付ける — エクスプローラーと PowerRename でできること・できないこと
電子帳簿保存法に合わせて、請求書・領収書の PDF には「日付_取引先_金額」のような名前を付けます。Windows には、エクスプローラーの「名前の変更」と、Microsoft の PowerToys に入っている PowerRename があり、複数のファイルの名前を一度に変えられます。ただ、どちらにも、PDF の中に書かれた取引年月日・取引先・金額を読んで名前に入れる機能は見当たりません。Windows で使える方法と手順をまとめます。
2026-10-09 更新。エクスプローラーと PowerRename の内容は、この日までに Microsoft のサポートページとドキュメントで確かめたものです。Windows の画面を操作しての確認はしていません。
要点
- エクスプローラーで複数のファイルを選んで名前を変えると、全部が同じ名前になり、末尾に番号が付きます。ファイルごとに違う日付・取引先・金額は入れられません。
- PowerToys の PowerRename は、文字の置き換え、連番、ファイルの作成日時を名前に入れることができます。PDF の中の文字を読んで名前に入れる機能は、Microsoft のドキュメントにありません。
- ファイル名には取引年月日・取引先・金額を、すべてのファイルで同じ順序で入れます。例:
20260930_株式会社サンプル_11000.pdf - 電帳リネームはブラウザの中で動くので、Windows でもインストールなしで使えます。PDF をまとめてドロップすると、日付・金額・取引先を読み取って、同じ順序の名前を一度に付けます。無料で 1 回 5 ファイルまで使えます。
エクスプローラーの「名前の変更」でできること
エクスプローラーでファイルを選んで F2 キーを押し、新しい名前を入れて Enter キーを押すと、名前が変わります(Microsoft のサポートページ)。
複数のファイルを選んでから F2 キーを押し、名前を入れて Enter キーを押すと、選んだファイルの全部がその名前になり、末尾に (1)、(2)、(3) … の番号が付きます(キヤノン MJ グループの「パソコンなんでも Q&A」。説明の画面は Windows 8.1 です)。この動きは Microsoft の公式のページでは見つけられず、Windows の画面でも確かめていません。
この方法で付くのは、同じ名前と番号だけです。取引年月日・取引先・金額はファイルごとに違うので、名前に入れるには、PDF を 1 件ずつ開いて読み、F2 キーで打ち込むことになります。
月に 10 件ほどまでなら、それで足ります。件数が増えると、開いて読んで打ち込む時間がかかり、区切りの記号や日付の書き方がぶれやすくなります。
PowerRename でできること・できないこと
PowerRename は、Microsoft の PowerToys(Windows 用のツールを集めたもの)に入っている、名前をまとめて変える機能です。エクスプローラーでファイルを選んで右クリックし、PowerRename の項目を選ぶと開きます。この項目は、PowerToys で PowerRename を有効にしているときだけ出ます(Microsoft のドキュメント)。
| 機能 | できること | 請求書・領収書での使いみち |
|---|---|---|
| 検索と置き換え | 名前の中の文字を探して、別の文字に置き換える。正規表現も使える | 「invoice」を「請求書」に直す。取引先の表記をそろえる |
| 連番 | 名前に番号を入れる。始まりの数、増やす幅、桁数を指定できる | 通し番号を振る |
| ファイルの作成日時 | ファイルが作られた年・月・日・時刻を名前に入れる | ダウンロードや保存をした日が入る。書類に書かれた取引年月日ではない |
| 写真のメタデータ | 撮影日やカメラの機種などを名前に入れる | 写真向けの機能 |
| プレビューと取り消し | 変える前に結果を確かめる。変えたあとは Ctrl+Z で直前の変更を戻す | 置き換えの結果を、変える前に見比べる |
Microsoft のドキュメントにある、名前に入れられる材料は、ファイルの作成日時、連番、ランダムな文字列、写真のメタデータです。PDF の中に書かれた取引年月日・取引先・金額は含まれていません。これらを名前に入れるには、1 件ずつ手で打つか、元のファイル名にすでに入っている文字を置き換えで並べ替えることになります。
PowerToys はインストールが必要で、Windows 11 か、Windows 10 のバージョン 2004 以降の 64 ビット版で動きます。Microsoft Store などから入れられます(Microsoft のドキュメント)。会社のパソコンでは、インストールに管理者の許可が要ることがあります。
PowerRename のドキュメントは英語版で確かめました。日本語の画面での項目の名前は確かめていないので、ここには書いていません。
Windows で使える方法
| 方法 | インストール | 日付・取引先・金額の入れ方 |
|---|---|---|
| エクスプローラーの「名前の変更」 | 要らない | PDF を開いて目で読み、1 件ずつ打ち込む |
| PowerRename(PowerToys) | 要る | 作成日時と連番は入れられる。取引年月日・取引先・金額は、手で打つか、元の名前の文字を置き換える |
| Windows のソフト(例: アイ・オー・データの「命名くん」) | 要る | ソフトがファイルの中身を読み取る |
| CSV の一覧から一括で変えるブラウザのツール | 要らない | 自分で用意した一覧(日付・取引先・金額)から入れる |
| PDF の中身を読み取るブラウザのツール(電帳リネーム) | 要らない | ツールが PDF の中の文字から読み取り、表で確かめて直す |
それぞれの中身と選び方は、方法の比較にまとめています。ほかの製品の内容は、2026-09-27 に各社の公式ページで確かめたものです。
電帳リネームで Windows の PDF にまとめて名前を付ける
- Edge か Chrome でツールのページを開く
- エクスプローラーで PDF をまとめて選び、ブラウザの画面にドラッグして落とす
- 日付・取引先・金額が表に並ぶので、画面に出る PDF の中身を見ながら確かめ、違っていれば直す
- ファイル名の並び順や日付の形式を選ぶ(既定は「日付_取引先_金額」)
- ダウンロードを押すと、名前を付け直した PDF が ZIP で保存される(1 件なら PDF のまま)
保存された ZIP は、エクスプローラーで右クリックして、中身をすべて取り出す項目を選び、画面の指示に従うと展開できます。1 件だけ取り出すときは、ZIP を開いて、中のファイルを別の場所にドラッグします(Microsoft のサポートページ)。
Windows では、ファイル名に \ / : * ? " < > | の 9 文字を使えず、名前の末尾を空白やピリオドにすることもできません(Microsoft のドキュメント)。電帳リネームは、取引先名などにこれらの文字があると「-」に置き換え、末尾のピリオドと空白を落とします。
PDF はブラウザの中だけで処理し、サーバーには送りません。インストールや登録も要りません。最新版の Edge と Chrome で動くように作っています。読み取りの確認は Mac の Chrome と Safari で行っていて、Windows の画面ではまだ確かめていません。うまく動かないときは、ご意見から知らせてください。
付けた名前で探す
エクスプローラーで、PDF を入れたフォルダーを開き、検索の欄に「202609」のような日付や取引先名を入れると、そのフォルダーの中のファイルを探せます。「この PC」から検索すると、時間はかかりますが、より詳しい検索になります(Microsoft のサポートページ)。
取引先名のように名前の途中にある語句は、そのままの検索では見つからないことがあります(Microsoft Q&A に利用者の報告があります)。そのときは、検索の欄に System.FileName:~="サンプル" のように入れると、名前に「サンプル」を含むファイルを探せます(Microsoft のドキュメントにある「含む」の指定。Windows の画面では確かめていません)。
日付や金額の範囲を指定した検索は、ファイル名の検索だけではできません。ファイル名に 3 項目を入れる方法は、税務職員のダウンロードの求めに応じることで、範囲と組み合わせの検索に代える前提です(国税庁の一問一答の問 50)。範囲で絞り込めるようにしておきたい場合は、索引簿を作ります(索引簿の作り方、検索要件の解説)。
よくある質問
Windows に何かをインストールする必要はありますか
ありません。Edge か Chrome でページを開くだけで使えます。登録も要りません。
何件までまとめて処理できますか
無料プランでは、表に置けるのは 5 ファイルまでです。保存したら表から消して、次の 5 ファイルを続けて処理できます。有料プラン(月額 480 円・年額 3,980 円)は件数の上限がなく、1 回で数百件まで並べられます。
会社のパソコンでも使えますか
インストールが要らないので、Edge か Chrome でこのサイトを開ければ使えます。PDF はブラウザの中だけで処理し、サーバーには送りません。会社が開けるサイトを制限しているときは、管理者に確かめてください。
ZIP が開けないときはどうすればよいですか
Windows 11 のエクスプローラーは、ZIP の中に名前が 260 バイト以上のファイルが 1 つでもあると、ZIP の全体を「無効」として開きません(日本マイクロソフトの Windows サポートチームのブログ)。日本語は 1 文字が 3 バイトなので、日本語だけの名前なら 86 文字ほどで届きます。電帳リネームは、名前(拡張子を除く)を 240 バイトまでに切り詰めるので、この長さの名前を作りません。ほかの道具で作った ZIP がこの理由で開けないときは、ブログにある方法(PowerShell の Expand-Archive、7-Zip など)で展開できます。
エクスプローラーや PowerRename と組み合わせてもよいですか
構いません。ファイル名の順序と書き方がすべてのファイルでそろっていれば、どの道具で付けたかは関係ありません。たとえば、電帳リネームで名前を付けたあとに、取引先の表記を PowerRename の検索と置き換えでまとめて直す使い方ができます。
Mac を使う相手に ZIP を渡しても、日本語のファイル名は文字化けしませんか
電帳リネームが作った ZIP は、Mac の標準の解凍(アーカイブユーティリティ)で、日本語の取引先名が入ったファイル名が文字化けしないことを確かめています(macOS 15)。
ファイル名のほかに必要なことはありますか
ファイル名で満たせるのは検索の要件です。電子取引のデータの保存には、改ざんを防ぐ措置(事務処理規程を定めて守るなど)も必要です(検索要件の解説、ファイル名のルール)。
電帳リネームを試す
登録もインストールも要りません。Windows の Edge か Chrome で開いて、文字が埋め込まれた PDF なら、無料で 1 回 5 ファイルまで読み取ってファイル名を付けられます。
出典
- Microsoft サポート「ファイルの名前を変更する」
- キヤノン MJ グループ「パソコンなんでも Q&A」Windows 複数のファイルの名前を一度に変更して、連番を付ける方法はありますか?
- Microsoft Learn「PowerRename Utility for Windows」(英語)
- Microsoft Learn「PowerToys のインストール」
- Microsoft Learn「Naming Files, Paths, and Namespaces」(英語)
- Microsoft サポート「ファイルを圧縮および展開する」
- 日本マイクロソフト Windows サポートチームのブログ「エクスプローラーで ZIP ファイルを展開すると『圧縮 (zip 形式) フォルダーは無効です』エラーが発生する」
- Microsoft サポート「Windows でファイルとアプリを見つける」
- Microsoft Learn「Using Advanced Query Syntax programmatically」(英語)
- Microsoft Q&A「エクスプローラーの検索ボックスで部分一致検索ができない」(利用者の質問)
- 国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和 8 年 7 月)